今回は「雲田はるこ」先生の『昭和元禄落語心中』というマンガを読んだので、ご紹介しちゃいますね。
※ここから先はネタバレもあるので、お先に立ち読みをお勧めします!
ココなら無料で見れますよ。
リンク先で「昭和元禄落語心中」と検索♪
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『昭和元禄落語心中』を無料で立ち読み
あらすじ
オイラもうなんもねェから
なんもねェからあすこへ行くんだ 寄席なんてのはそういうトコだべ
出所したその足で向かったのは憧れの大先生がいる寄席。
失礼のないように一張羅と土産を買って、散髪したら一文無しになってしまったと運転手に泣きつくも憧れの大先生は弟子は取らないと聞かされて途方に暮れる。
そこへ現れたのが八代目 有楽亭 八雲(ゆうらくてい やくも)その人だ。
刑務所の慰問会で演った八雲の「死神」に惚れ込んだと息巻く男を面白がった八雲はその与太郎(よたろう)を連れて帰ることに。
八雲とそりの合わない年頃の娘・小夏(こなつ)が同居する家に与太郎を住まわせることにする。
はじめは反発する小夏だったが素直で可愛げのある与太郎に噺を教えるようになる。
小夏の亡き父親は、八雲の同期の落語家の助六(すけろく)だった。
父親の落語に憧れる小夏は自身も隠れて落語を勉強していた。
父親と同じネタを練習する小夏を見つけた八雲はノートを投げつける。
「アタシに喧嘩売ろうッてのかい? 不愉快な子だよッ」
「父ちゃんは 有楽亭 助六は・・・ おまえが殺したんだッ・・・」
感想
粋な落語の世界を描いた話題作です。
私は落語初心者で、たまーに寄席にも顔を出す自称落語好きですが、漫画の中での掛け合いが動画や音声じゃなくてもテンポがいいのが感じられたりしてなかなか凄い。
ストーリーに絡んでくる噺を全部知っていたわけではないのですが、
落語を知ってても知らなくても楽しめるように出来ていると思います。
中途半端に落語を知っている私のお墨付きだよ(●´U`●)ノ⌒☆。.:*
そんな嬉しいような悲しいようなお墨付きの漫画・「昭和元禄落語心中」ですが、粋な世界観ともうひとつ、与太郎ちゃんの可愛さが魅力的なんです。
というか他の登場人物が陰気臭い中で与太郎ちゃんの明るさバカバカしさが光ります。
断然お色気担当の八雲師匠が好みですけどね!
与太郎ちゃんが八雲師匠に恋焦がれて寄席の袖から舞台を眺めているのと同じく、八雲師匠も京都で萬歳師匠の落語を舞台袖の特等席から見つめます。
じぶんから見たら大先生の師匠も、子供みたいに夢中になってその上の師匠の芸を見つめる。
このシーンは芸に身を費やす人間の前のめりな感じが伝わってきてお気に入りです。
こんなに身を焦がして夢中になれるものが私にはあるかな・・・。
リンク先で「昭和元禄落語心中」と検索♪
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『昭和元禄落語心中』を無料で立ち読み
ネタバレ
落語に詳しくなくても楽しめる 粋な漫画 「昭和元禄落語心中」ですが、落語のスキル的な側面ではなく芸を極める者の孤独感や人間的なあれこれが掘り下げられています。
詳しくなくてもいいけどとりあえず分かっておいて欲しいのは与太郎って主人公の名前じゃあないのね。
おバカさん とか おマヌケさん って感じの擬人名です。
テキトーみたいな意味もあるので与太話なんて使い方もしますね。
まぁあだ名です。
本名は強次(きょうじ)と申します。
全然その名前で呼ばれないけどねd(ゝ∀・)
まずあらすじも紹介した与太郎放浪篇、時間軸は移動して八雲師匠の若い頃、小夏の父親・助六との因縁が明らかになる八雲と助六篇、そして戻って助六再び篇で締めくくられます。
この漫画はネタバレがどうのというよりも、読んでるその場の雰囲気を味わうものなのでサゲ(ハナシのオチ)を知ってても楽しめる漫画になってます。
まさしく落語と同じですよね。
落語はサゲのパターンが何個かあるものもあって、噺家さんによって違う結末だったりするのですがお客さんは新作でないかぎり基本的にストーリーは知っているんです。
それでもその結末にたどり着くまでの道行が楽しめる、その過程に技量を注ぎ込む。
そんな落語と同じくこの漫画もストーリーを知ったらつまらなくなる種類のものではありません。
だからネタバレ読んでからでも本編は十二分に楽しめると思います。
でもなかなか複雑で説明しにくいのでザックリ。
八雲と助六篇
八雲師匠と小夏の父親・助六は同じ日に入門したライバルだった。
妖艶な八雲と対照的に粗暴で明るい助六。
はじめは助六が人気者になるが、ふたりの師匠が助六の落語と因縁があり、八雲に跡を継がせることに。
破門となった助六は八雲の元恋人で芸者のみよ吉と温泉街へ渡り、そこで小夏が生まれていた。
落語の世界に戻るように説得するため八雲が訪れた時、事故で助六とみよ吉が死んでしまい、以来小夏は八雲のもとで育ったのだった。
助六再び篇
妊娠してひとりで子どもを育てるという小夏に、与太郎はじぶんと家族になることを提案する。
一方、病に倒れた八雲は引退したいと言い出す。
噺家は罪深い、立ち去るときは芸も何もかも一人で持っていっちまう と話していた八雲の引き際とは―。
時は昭和50年代頃、漫才ブームなどで下火になった落語界を舞台に粋なかけ合いと芸にかける男の人生が笑いと悲哀をこめて描かれる。
こんな人におすすめ♪
「ちょいとお待ちよ」
八雲師匠のはなし言葉がもう格好良すぎです。
文字で書くとちょっと女言葉に見える語尾だとか、一人称がアタシなとことか、頭の中で声に変換して読むことにハマりました。
アニメ化もされているので動画や音声で間合いだったりを楽しむのもいいですが、目で見る落語っていうのも新しいと思いました。
落語シーンよりも、登場人物が話しているかけ合いのテンポがなんだか落語的で、もう全篇にわたって楽しませてくれます。
落語と同じでストーリーを事前に知ってたらツマラナイというような種類の漫画ではないので、実際に本編でそのかけ合いを感じて楽しんでくださいね。
さいごに私のお気に入りのシーンをご紹介。
八雲師匠の膝の上でガーガー寝息を立てる与太郎。
それを見つけた小夏にひと言。
「噺 教えろってしつけぇから 耳かきして寝かしつけてやったよ」
寝かしつける方法が耳かきって!!
どこのいい女だよというかそこらの女よりよっぽど色気のある八雲師匠にメロメロです。
落語についての小難しい指南的な話ではないので、まったく落語に興味がなくても聞いたことがなくても楽しめると思いますよ。
まあ読んだあとには絶対落語聞いてみたい!って気持ちになると思いますけどね((●>ω<)っ
リンク先で「昭和元禄落語心中」と検索♪
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
『昭和元禄落語心中』を無料で立ち読み